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心筋梗塞・狭心症・不整脈

心筋梗塞・狭心症

心筋梗塞と狭心症は、共に心臓のまわりの栄養血管である冠動脈の動脈硬化が大きく関係しています。治療方法も飛躍的に進歩し確立されてきています。また、予防することも、危険因子を減少させることで可能となって来ました。

◆原因

心臓の筋肉に栄養と酸素を補給している冠動脈が動脈硬化や、血栓などで狭窄したり閉塞すると狭心症や心筋梗塞を起こします。狭窄の程度が75%を超えると、症状が出現すると言われています。動脈硬化を起こしやすい危険因子は、はっきり解明されており以下の10個と言われています。

  1. 高血圧症
  2. 糖尿病
  3. 喫煙
  4. 肥満
  5. 脂質異常症
  6. 運動不足
  7. 高中性脂肪血症
  8. 高尿酸血症
  9. 強いストレス
  10. 遺伝的素因

上記の10個のリスクファクターをコントロールすることによって動脈硬化は予防でき、さらに血管の老化を防ぐことが可能と分かっています。

◆症状

心筋梗塞は「前胸部激痛」「焼け火箸を押しつけられた痛み」「強く締め付けられる感じ」「今まで経験したことのない痛み」が10分以上続き、ニトロペン舌下にても軽快しない事が多いです。


狭心症には2つのタイプがあり、1)労作性狭心症 2) 異型狭心症(冠攣縮性狭心症) に分けられます。
1) 労作性狭心症の痛みは「登り坂や階段の上昇」、「脈が少し増える程度の運動」、などの労作時に前胸部に違和感や圧迫感を感じたり、心筋梗塞に匹敵する位強力な痛みのことも有りますが,安静にて10分以内に自然軽快、またはニトロペン舌下で著明に改善します。その他「歯の痛み」、「左肩方向への放散痛」、「背部の痛み」、「動悸」、「息切れ」など症状は様々です。ただし、糖尿病があると全く無症状のこともあります。
2) 異型狭心症は、軽度の動脈硬化にも拘わらず発作時に、冠動脈が痙攣を起こし、強い狭窄の状態となり、痛みの程度はかなり強いです。発作が起こる時間は、深夜から明け方が多いです。やはりニトロペン舌下は有効です。

◆検査

軽度の体動などで、「胸部圧迫感や違和感」、「動悸や息切れ」が出現したら、早期に検査をお受けになり、狭心症や心筋への酸素不足状態(心筋虚血)かどうかの検査が必要です。検査は負担の少ない順番で以下となります

  1. 安静時心電図、場合によっては負荷心電図
  2. 24時間ホルター心電図
  3. 心臓エコー検査
  4. 心臓CT検査(国立埼玉病院への予約で早期に撮影可能です。当院から直接埼玉病院の予約システムにアクセスし予約可能)
  5. 冠動脈造影検査(上記4番で病変が疑われる場合は、治療方針決定に重要な検査となります。連携病医院への紹介となります。)

◆治療

冠動脈の閉塞で血流が遮断され、部分的に心筋壊死に陥った場合が 心筋梗塞です。

冠動脈狭窄はあるものの心筋壊死に陥っていない場合が 狭心症となります。心筋梗塞では、「発症後3時間以内」に冠動脈再灌流療法を行うとかなりの確立で壊死させないで助けることが可能です。出来るだけ早く 救急病院での治療が必要です。

◆予防

上記10個の動脈硬化の危険因子を減らす為には最低年1回の健康診断を受け、少しでも問題点があれば早期改善する様にして下さい。いつまでも若々しい 血管を保つようにしましょう。

不整脈

不整脈とは規則正しい心拍が乱れることで、動悸・息切れ・心臓の違和感・もこもこ感・胸部不快感・ドキンと感じることなどと表現はさまざまです。

◆種類

頻脈性不整脈徐脈性不整脈に分類出来ます。 安静時の脈拍は50から100の範囲内です。この範囲外だとすぐに異常という訳ではありません。マラソンの選手では心拍40はスポーツマンの心臓として普通です。また、緊張だけでも安静時に心拍110位にはなりますが、 ホルモン異常のこともあります。

心房細動について

最近注目されているのは、加齢と共に心房細動という不整脈の方が増えています。以前は内服治療が主でしたが、コントロール不良で内服量増加が必要のこともあり、難治性慢性心房細動となる方がかなりいらっしゃいました。またこの不整脈が原因で、左心房内に血栓が形成され、その血栓が脳へ飛ぶと、脳塞栓という病気を引き起こしてしまいます。その為、脳塞栓予防目的で血液をさらさらにする抗凝固薬の内服が必要となります。

最近は心房細動の治療が大きく進歩し、原因解明がされ、根本的に治すことが可能となりました。名称はカテーテルアブレーションといいます。1回目のカテーテル治療で80%成功いたします。20%の人は2回目の治療が必要なこともあります。また、ご高齢となり難治性心房細動となるとカテーテル治療そのものでは完治しないこともあります。その為、早期発見・早期治療がとても大切です。

◆検査

安静時心電図、24時間ホルター心電図、原因として心疾患がないかどうかのチェックにはカラードップラー心エコーやエルゴ負荷心電図検査が役立ちます。
急ぐ場合,直ぐに結果を説明します。(その際は解析にお時間を頂きます)

最近は自宅で不整脈の記録ができるソフトも開発されています。iPhone用アプリ「ハートリズム( Heart Rhythm )」です。App Storeで無料ダウンロードできます。不整脈を感じた時に記録可能なので、その記録を持参して受診するとすぐに診断が出来る助けとなります。

◆治療

特に徐脈性不整脈に対しては、めまい・ふらつき・失神発作がある場合にはペースメーカー治療が確立されています。 ごく軽度の徐脈には内服のみで様子みる場合もあります。
頻脈性不整脈に対しては、原因を調べてから、内服治療でコントロール出来ることが多いですが、重症の頻脈性不整脈 (心室性頻拍、心室細動)の場合は植え込み型の除細動タイプの治療器も比較的安全に治療可能となって来ています。 少しでも気がかりなことがありましたら、一度相談に来院されて下さい。

心房細動は上記の様にカテーテルアブレーションで完全治癒する確率が高くなっています。また心房細動が治って正常リズムになると、将来心不全になることもほとんどなく、脳塞栓の予防薬の内服も必要がなくなることも多いです。

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